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日本酒に使われる山田錦の特A地区とは?

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日本酒造りに適したお米の代表格として、「山田錦」という品種があります。
日本酒の勉強をしている方は知っている方も多いでしょう。
そんな山田錦を生産する地域の中でも、「特A地区」は格別だとされています。
今回は、山田錦の産地の「特A地区」について解説します。

□そもそも山田錦とは

日本酒造りに適した性質を持つ米は、酒造好適米(酒米)と呼ばれます。
山田錦は、酒造好適米の中でも最も知名度が高く、作付面積も日本で一番の品種です。
日本酒に詳しい方でしたら、ご存じの方が多いかもしれません。

酒造好適米は、通常の米と比較してお米の中心部分の白い部分である心白の部分が大きいのが特徴です。
心白の部分には、でんぷんが多く含まれており、日本酒造りの発酵過程において重要な役割を担います。
アルコールは発酵過程において生成されるので、心白の部分が大きいことはとても重要と言えるでしょう。

また、お米の表面の部分には、タンパク質が多く含まれていて、これが雑味の元となるので、日本酒造りの過程では、お米の表面部分を削る工程があります。
そのため、粒が大きくて表面を削りやすいことも、日本酒造りに適したお米の特徴のひとつです。
日本酒の種類によっては、最大で70パーセント以上も削って製造するものもあります。
確かに、お米を70パーセント以上も削るなら、なるべく粒が大きい方が良いですよね。

これらの酒造好適米としての特性が特に優れているので、山田錦を使った日本酒は最高品質であるとされています。
実際に、過去の品評会やコンクールなどでも多くの山田錦を使用した日本酒が入賞しました。

優れた特性を持つ山田錦ですが、成熟が遅い、風によって倒れやすい、籾(もみ)が落ちやすい、刈り取った後に乾燥させるのが難しいなど、実は非常に栽培が難しいという特徴があります。
これらの要素も踏まえて、山田錦を使った日本酒は高価なものが多いです。

山田錦を使用した日本酒は、香りが強く、クリアな味わいになると言われています。
また、質の良い麹作るのに適しているため、米のうま味や甘みが感じられて、辛口であっても飲みやすい日本酒になるので、女性にもおすすめと言えるでしょう。

また、山田錦は吟醸酒を作るのに適しています。
吟醸酒とは、吟醸造りと呼ばれる、よく磨いた米を長い時間をかけて低温発酵させる製造方法で造られた日本酒です。
低温で発酵させる方法は、麹が発酵しづらいので、麹を活性化させやすい山田錦が適しています。
吟醸酒は、フルーティな香りが特徴的で比較的飲みやすいタイプなので、日本酒初心者の方にもおすすめの種類と言えるでしょう。

□特A地区について

山田錦は、大正12年に兵庫県の農業試験場で山田穂(やまだぼ)と短稈渡船(たんかんわたりぶね)という品種を交配させることによって生まれました。
その後徐々に他の地域でも栽培されるようになりました。
現在では、五百万石や美山錦などの他の酒米を抑えて、全国で一番の生産量があります。
平成27年のデータでは、全国で約3万7000トン、その内約2万2000トンは兵庫県で生産されています。
やはり、山田錦が生まれた土地である兵庫県が最も生産量が多いようですね。

山田錦の生産量が多い兵庫県ですが、中でも「特A地区」と呼ばれる地域で生産されたものは最高級であるとされています。
特A地区は、現在の三木市吉川町(みきしよかわちょう)、加東市東条町(かとうしとうじょうちょう)、加東市社町(かとうしやしろちょう)などを含む地域です。

この地域では夏場の昼夜の気温差が10度以上あり、米の心白の部分が大きくなりやすいです。
また、粘土質の土壌があり肥料が保持されやすいことから丈夫な稲が育ちやすいでしょう。
このような条件で、山田錦の栽培に適しているので、特A地区は特別な地域とされました。

□山田錦の生産システムについて

山田錦の生産は、「村米制度」と言われる契約栽培システムが120年前から導入されています。
これは、ある地域が特定の酒米を継続して生産する代わりに、酒蔵は通常の酒米より高い値段で一定量を買い取るというシステムです。
山田錦は、品質は良いが栽培が難しいという特徴があり、安定的に生産してもらうには、高価で買取することを保証することで農家が栽培を続けやすい環境を作りました。
これにより、山田錦を栽培する農家が増え、酒蔵との関係も強いものになっていきました。
さらに、行政が種の研究や保存、産地の拡大や規制を主導してバックアップしました。

このシステムによって、安定して高品質の山田錦を生産することが可能になり、日本酒の産業を発展させたことで、兵庫県は全国でも有数の日本酒の産地となりました。
また、このシステムを利用して山田錦を生産していた地域が、特A地区の起源であり、このシステムは現在でも存続している場所もあります。

 

また、「SAKE selection 2020(コロナの影響により2021秋頃開催)」では、兵庫県特別賞として、兵庫県産山田錦を原料に使用した出品酒の中で、優秀な成績を収めたものに『藤川禎次賞』を授与。
兵庫県内酒蔵のうち上位の受賞数が最も多い酒蔵に対して「ひょうごの酒蔵特別賞」を授与する予定です。

□まとめ

今回は、山田錦の特徴、特A地区、生産システムについて解説しました。
サケ・セレクションは、日本酒の醍醐味や日本の文化を世界に発信するために、出品酒を世界中の専門家から選ばれた審査員に評価してもらうブリュッセル国際コンクール(CMB ベルギー)日本酒部門で、2020年から日本国内で毎年開催を目指しています。
第二回開催が、兵庫県での開催が決定しました。
詳しくは、「第2回開催2020年実施について」で今後ご紹介していきます。

なお、第二回開催を本年10月に兵庫県で開催を予定しておりましたが、世界的なコロナウイルス感染拡大の影響により、外国人審査員の来日可否が不透明な状況が続いていることから、開催を延期することとなりました。

延期後の審査会実施時期につきましては2021年秋頃を予定しておりますが、正式に決定次第、ホームページ等でお知らせいたします。

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