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兵庫県は日本酒に使われる米が違う!?

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兵庫県は、日本酒の生産量が全国で一番多い都道府県であることをご存じでしょうか。
その理由は、昔から日本酒造りの良い環境があったからです。
中でも山田錦と呼ばれる米の品種を開発できたことが大きな要因であるとされています。
今回は、兵庫県の日本酒造りの環境や、兵庫県で開発された米である山田錦について解説します。

□兵庫県の日本酒造りの環境について

そもそも、なぜ兵庫県が日本酒の生産量が全国で一番多くなったのでしょうか。
ここでは、兵庫県の日本酒造りの環境について解説します。

兵庫県の酒造りの歴史は、言い伝えによると室町時代に始まったとされています。
その後、江戸時代になると酒造りは飛躍的に発展しました。
現在の兵庫県の灘地域がある、瀬戸内海から沿岸12キロメートルの地域には、西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷と5つの酒造りが盛んな地域が発展していました。
これらの5つの地域は、「灘五郷(なだごごう)」と呼ばれ、現在も酒造りが盛んな地域として知られています。

灘五郷は、酒の醸造に適した環境がそろっていたため、酒造りが発展しました。
この地域では、リンやマグネシウム、カルシウムなどのミネラルを含む良質な水が豊富に得られました。
また、冬場には、「六甲おろし」と呼ばれる六甲山から海岸へと吹き降ろす寒風が吹き、これが酒の醸造に最適な環境でした。
この六甲おろしにより、気温が低く保たれて雑菌の繁殖を防ぐだけでなく、発酵をゆっくり進められるので安定した品質の酒を造れたのです。
当時は空調設備がない時代だったので、うまく酒蔵の中に冷たい風を取り入れることで、温度管理を行っていました。

また、この地域には大きな港があったので、原料である酒米を手に入れやすかったことも酒造りが発展した理由の1つです。
それだけでなく、兵庫県では山田錦と呼ばれる酒造りに最適な米の品種が開発され、その栽培も盛んに行われていました。
これにより、高品質な酒米がより手に入りやすく、さらに酒造りが発展する要因になりました。

さらに、 酒の醸造の環境だけでなく、酒を全国へ輸送する環境も整っていました。
当時から灘地域にあった大型の港を使用して、大きな船で中心都市へ日本酒を運ぶシステムが確立されていました。
灘の恵まれた環境で造られた日本酒は、そのおいしさから江戸の町で評判を呼び、江戸時代の後期になると江戸で飲まれた日本酒のおよそ80パーセントは灘で造られた酒だったほど人気だったそうです。

□兵庫県で有名な米である山田錦について

兵庫県と言えば、「酒米の王様」と呼ばれる山田錦という米の品種を生み出したことで有名です。
山田錦は、1923年(大正12年)に兵庫県の農業試験場で、山田穂(やまだほ)と短稈渡船(たんかんわたりぶね)を交配させて作られた品種で、その約10年後に正式に山田錦と命名されました。
その後は、少しずつ品種改良をされてきましたが、現在でも酒米の王様として認知されています。
山田錦は最も高品質な酒米として、兵庫県の日本酒とともに発展を遂げてきました。

山田錦は、米粒が大きくツヤのある心白米(米粒の中央部に円形あるいは楕円形の白色不透明部分がある米)です。
これらの特徴により、はぜ込み(麹菌の繁殖のしやすさ)が良くなり、麹や酵母が活性化しやすいのです。
発酵過程は、アルコールを生成する過程であり、酒造りの重要な部分なので、この特徴はとても重要ですね。
また、たんぱく質の含有量が他の酒米と比べて少ないため、雑味の少ない日本酒に仕上がります。

山田錦は、開発されて以降、主に兵庫県で栽培され、その後全国で栽培されるようになりました。
全国に生産地が拡大した山田錦ですが、昔から生産量が全国で一番多い都道府県は兵庫県でした。
その理由は、良い気候条件と土壌環境にありました。
主な産地である六甲山の北側の山間部では、瀬戸内気候のため日照時間が長く年間を通して気温が高く、降水量が少ないのが特徴です。
それに加えて、六甲山系が暖かい空気を遮断するので、秋場には昼夜の気温差が10℃以上になり、米の実りが良くなる条件と言えます。

また、土壌は細かな粘土質であり、稲が根を張りやすかったり、水分や養分を保持しやすかったりするので、稲の生育に適していました。

*山田錦を使った日本酒の味わいについて

山田錦を使った日本酒は、香りが良く爽やかな味わいを楽しめます。
また、辛口の日本酒であっても、米のうまみや甘みが感じられるのも大きな特徴です。
さらに、業界からの評判も高く、日本酒の品評会やコンクールでも山田錦を使った酒が入賞することがよくあります。
このことからも、山田錦を使用した日本酒の味わいの深さが感じられますね。

また、「SAKE selection 2020(コロナの影響により2021秋頃開催)」では、兵庫県特別賞として、兵庫県産山田錦を原料に使用した出品酒の中で、優秀な成績を収めたものに『藤川禎次賞』を授与。

兵庫県内酒蔵のうち上位の受賞数が最も多い酒蔵に対して「ひょうごの酒蔵特別賞」を授与する予定です。

□まとめ

今回は、兵庫県の日本酒造りの環境や、兵庫県で有名な米である山田錦について解説しました。
サケ・セレクションは、日本酒の醍醐味や日本の文化を世界に発信するために、出品酒を世界中の専門家から選ばれた審査員に評価してもらうブリュッセル国際コンクール(CMB ベルギー)日本酒部門で、2020年から日本国内で毎年開催を目指しています。
第二回開催が、兵庫県での開催が決定しました。
詳しくは、「第2回開催2020年実施について」で今後ご紹介していきます。

なお、第二回開催を本年10月に兵庫県で開催を予定しておりましたが、世界的なコロナウイルス感染拡大の影響により、外国人審査員の来日可否が不透明な状況が続いていることから、開催を延期することとなりました。

延期後の審査会実施時期につきましては2021年秋頃を予定しておりますが、正式に決定次第、ホームページ等でお知らせいたします。

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