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日本酒の鮮度を保つために行われている特別な工程とは!兵庫の専門家が解説します

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日本酒のラベルには製造年月は書いてありますが、賞味期限は書いていません。
日本酒はワインのように長く保存すればするほど美味しくなるものではありません。
日本酒の鮮度を保つ工程を知ってより美味しく日本酒を飲めたら嬉しいですよね。
今回は日本酒の鮮度を保つために行われている工程について兵庫の日本酒専門家が解説します。

□未開封の日本酒を美味しく飲める期間

日本酒ってどれくらい鮮度が保てるのでしょうか。
製造年月から日付が経っているものでも、開栓前なら健康上は問題なく飲むことはできます。
しかし、日本酒の味わいは変わってしまっているかもしれません。
未開封の日本酒はどのくらいの期間、美味しく飲めるのでしょうか。
実は日本酒は製造方法によって美味しく飲める期間が異なることをご存知ですか。

通常の日本酒は製造年月より約1年が美味しく飲める期間でしょう。
ここでいう通常の日本酒とは、2回「火入れ」をした日本酒のことです。
火入れという加熱処理はお酒を絞った後と瓶詰時の2回行います。

生貯蔵酒の場合、火入れを瓶詰時の1度しか行いません。
そのため、生貯蔵酒は通常の日本酒より短い9か月間が美味しく飲める期間です。
また、火入れを1度も行わない生酒も同様に9か月までが飲み頃でしょう。
この期間はあくまで目安なので、保存状態によって変化することもあります。

□日本酒の鮮度を保つための工程

火入れとは低温殺菌のことを指します。
先ほど紹介した通り、通常の火入れはお酒を絞った後と瓶詰時の2回行います。

では火入れはどのように行っているのでしょうか。
火入れには大きく2つのタイプがあります。

*タンク火入れについて

タンク火入れは、冬の間タンクで貯蔵し、春の終わり頃に瞬間湯沸かし器を通して殺菌します。
そして、火入れ酒として夏の終わりまで密封します。
その後、呑み切りという開封の儀を行い、味が良ければ再度火入れをして熱いまま瓶に詰めます。
火入れには年単位の手間暇がかかっていることは驚きですね。

*瓶火入れについて

この方法は「1回瓶火入れ」と呼ばれ、近年増加している加熱処理法です。
この方法では搾った生酒をそのまま瓶に詰め、その後瓶ごと火入れをする方法です。

通常の火入れとはどんな違いがあるのでしょうか。
まず、酒燗器というものを使います。
酒燗器とは湯沸かしのできる大きな水槽です。
追い炊き機能のあるお風呂のようなものをイメージしてください。

酒燗器に水を張り、酒瓶を入れて湯を沸かします。
中のお酒が63~65度になると酒の中に残った酵素が失活します。
その後、密封できているか確認したら完成です。

瓶火入れは酒瓶を少しずつ火入れするので、タンク火入れに比べると時間がかかるというデメリットがあります。
しかし、1度しか火入れをしないので酒へのダメージが少なく、タンク火入れより鮮度は格別に良いです。

より鮮度を追求する酒蔵では、火入れ後に冷水や氷水に漬け、さらにダメージを減らすところもあります。
より鮮度の良い日本酒を飲んでみたい方は瓶火入れで作られているか確認するといいでしょう。

□日本酒の製造過程

日本酒を製造するには様々な過程があります。
今回は、そのなかでも特に重要な三段仕込みについて解説します。

三段仕込みは日本酒の味を決める工程です。
精米、洗米、浸漬した蒸米を糖化やアルコール発酵をする際の工程ですね。
三段仕込みでは三段階に分けて仕込みを行います。
三段階に分けて仕込みをする理由は酒母に大量の材料を1度に仕込むと、酒母の中の酵母や酸が薄まるためです。
酵母や酸が薄まると、酵母の増殖が追い付かず、雑菌が繁殖する可能性が高まるでしょう。
そのため、1度ではなく数日に分けて仕込む必要があります。

具体的に説明すると、1日目は酒母、蒸し米、麹、水を合わせ、2日目は仕込みを休ませます。
休ませている間に蒸米が膨らんでくるので、よくかき混ぜて酵母を増やします。
3日目は1日目より2~4割増した蒸し米、麹、水を追加、4日目は3日目の2倍の蒸し米、麹、水を追加します。

1日目を初添、2日目を踊り、3日目を仲添、4日目を留添と呼ぶでしょう。
この三段仕込みが終わった後、もろみを入れ、搾って、ろ過・火入れをして貯蔵します。
通常の日本酒はこのような工程を踏んで劣化しないようにします。

生原酒をご存知でしょうか。
この日本酒は搾ったままのもろみの風味を残すため、生酒のろ過、火入れ、加水を行わず瓶詰します。
従来の樽、タンク貯蔵では上面の空気層に入った酵素がお酒を変化させていました。
そのため、この日本酒の鮮度を保つのが難しく、かつては蔵人しか味わうことができませんでした。
しかし、近年になって瓶貯蔵が主流になってきたことで、このようなお酒も私たちは口にすることができるようになりました。

□まとめ

今回は日本酒の鮮度を保つために行われている工程について解説しました。
蔵人の方々が鮮度を保つために様々な工夫をされていることがお分かりいただけたと思います。

サケ・セレクションは、日本酒の醍醐味や日本の文化を世界に発信するために、出品酒を世界中の専門家から選ばれた審査員に評価してもらうブリュッセル国際コンクール(CMB ベルギー)日本酒部門で、2020年から日本国内で毎年開催を目指しています。
第二回開催が、兵庫県での開催が決定しました。
詳しくは、「第2回開催2020年実施について」で今後ご紹介していきます。

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